■ 「中間会社を省き低価格を実現」という表示は本当? 低価格を実現するために中間会社を省き、お客様と直接取引にしましたという会社がありますが、疑問が残ります。中間会社とはなんでしょうか。工事には設計と施工があり、設計担当者が面積や使用材料を決め、施工職人が工事をします。この設計する会社を中間会社と呼んでいるようですが、もし、本当に職人と直接契約をするとしたら、お客様は自分で面積を計算し、材料の品番を決め、接着剤などの副資材と共に壁紙を発注し、職人には人工仕事(手間仕事)を依頼することになります。普段、そんな仕事をしていない人が上手にできるのでしょうか。また、材料のロス、人工の数え方などわからないことばかりのはずです。 また、中間会社が現地調査をしなければ、職人が直接お客様のところに行くことになります。さて、その時間、職人は仕事をしないことになります。さらに、交通費と時間を使って契約にならないこともあります。そんなリスクを背負いたくないから職人をしているのです。 つまり、「中間会社を省き低価格を実現」という表現は、職人のグループの一人が中間会社の仕事を引き受けていると解釈すべきです。その人はお客様のところへ行っている間は、仕事をせず、営業をしているのです。その経費は当然単価に還元されます。 こう考えると、足場の設置を含め概ね5,000円〜7,000円/㎡が適正価格となります。それより安い場合はよほど仕事の取れない職人か、ゼネコンの下請(1,200円/㎡)がとれないほど仕事がいい加減ということになります。 職人はそもそもホームページ等作成しません。クロスや塗装は手に負担がかかり、仕事の後は手が震えてキーボードなど触れません。それでも顧客を掴もうとしているのは仕事がほしいからなのです。中間会社を省くとありますが通常は工務店と称して仲間内で仕事をしているケースが多くあります。「中間会社を省き低価格を実現」するためには、その内の一人がパソコンでホームページを作り、仲間に仕事を流すブローカーにならなければ成立しません。いかにも一人で作業をしていて中間マージンを省くかのように見えますが、都内で弊社の価格を割り込むような格安の塗装屋はいないはずです。何故ならば、それが適正価格であり、職人が別会社であろうと、同じ会社であろうと職人と営業コストはさほど変わらないからです。むしろ、職人が別会社である方が、コスト面では厳しくなり、無駄を省く努力がなされているはずです。 |